アガルワール:自由なインドのためのガンディー主義憲法 第9章(3)

連邦の構成単位

 全インド・パンチャーヤットは州や国ぐにの自発的な連合であり、それら連邦の各単位は、最大限の地方自治を行なう。地理や文化に立脚すればインドはひとつにして不可分なのだから、すべての州とインドに属する国ぐには、国民の福利を増進するそうした連合には喜んで加わるだろう。あらゆる努力が、親密な協同、および共通の国民生活の発展に必要な環境づくりに対して払われねばならない。
 しかし、いかなる単位領域も、その成人が表明し、確定した意思に逆らってまで全インド連邦への加入を強いられることがあってはならない。従来、分離独立に触れることは意図的に避けられ、自発的に参加することが暗黙の前提とされてきた。その適切な例としてソヴィエト連邦を挙げると、分離独立の権利は11の「連邦共和国」に限り与えられている。すなわち、数多くの他の単位、たとえば「自治共和国」などには保障されていない。その上、連邦共和国にとってさえ、分離独立権は名ばかりのものだ。現在よく知られているように、分離独立を引き起こすような活動を、ソヴィエトの裁判所は反逆ないし反革命とみなしている。
 しかし、武力を背景に何かを強要するといった問題は、非暴力主義の国家では起こりえない。連邦に加盟するのもしないのも連邦単位の自由であれば、分離独立権を合法的に留保する、といったことは起こるはずがない。しかし、「ガンディー主義憲法」のもと、寛容、善意、協同の空気が全体に満ちあふれるところでは、どんな分離独立への要求あれ、ありえない仮定、ということになるだろう。

言語
 全インド・パンチャーヤットのあらゆる業務はヒンディー語、またその表記はナーガリー[デーヴァナーガリー]またはウルドゥー文字による。