共和主義?

共和主義(リパブリカニズム)という思想が日本でいま一つ認識されない理由の一つは、訳語だと思う。

そもそもの語源である中国語で「共和」とは、皇帝が欠けた時期の一時しのぎ的な合議政治を指していたし、「五族共和」だって「法の支配」等々を指していたのか、というと?だ。国民党の肩を持つわけではないが、リパブリックのもともとの中国語訳は「共和国」ではなく「民国」だったのだ。また、「法の支配」と「共に和すること」のあいだには距離がありすぎる、と思う。

アメリカにしても政治的自由や法の支配を踏みにじる大統領が「共和」党に属している、という笑えない状況があり、スタンフォード大のオンライン哲学辞典

http://plato.stanford.edu/entries/republicanism/

でも、法の支配や政治的自由を旨とするリパブリカニズムについては、ネオ・リパブリカニズムとかシヴィル・リパブリカニズムと呼んで区別しているくらいなのだ。ましてや日本においてをや。

やはり、しっくり来る訳語を創造するしかないのではないか。たとえば、

民憲主義

ではどうか。「民が憲ずること」は「法の支配」からさほど遠くはないと思われる。