ブッシュ、イラクで靴を投げられるの図

映像
http://www.msnbc.msn.com/id/21134540/vp/28223089#28223089

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081215-00000009-jij-int
記者が米大統領に靴投げる=イラク

【カイロ14日時事】イラクを14日に訪問したブッシュ米大統領がマリキ・イラク首相との共同記者会見の席上、イラク人テレビ記者に靴を投げられるハプニングがあった。

AFP通信によると、この記者は「これがお別れのキスだ、犬め」と叫び、自分の履いていた左右の靴を次々と投げ付けたが大統領は身をかわし、命中しなかった。記者は警備員に連行された。

          • -

靴ですんでまだ幸せだったかも。この記者会見はアメリカとイラク地位協定締結を受けてのものだが、日米地位協定をみても分かるように、これは不平等条約、もっといえば属国契約に等しい。イスラム法学者協会も「米占領者の求めに応じて協定に調印し、イラク議会はイラクイラク国民を占領者に売り渡した」と非難する声明を出している。

http://www.heyetnet.org/eng/mansetler/3461-amsi-iraqi-parliament-sold-iraq-and-iraqis-to-the-occupier-.html

考えてみれば、ブッシュ(とその政府)の「テロとの戦い」(9.11のような事件は、ほんらいは警察やFBIの管轄だ)のせいで今までに百数十万人が亡くなり、二つの辛うじて統治されていた国家とその社会が崩壊したのだ。しかもグアンタナモをはじめとする刑務所で、イラク人逮捕者への人権侵害が続いている。これが人道に対する罪でなくてなんだ。ブッシュ政権の人びとは引退後、戦犯として追求されるのを本気で恐れているとも聞くが、当然だ。たとえ国際刑事裁判所ローマ規程をアメリカが批准してなくても、国連総会で決議を上げるくらいはあってしかるべきだろう。

また経済にしても、金持ち優遇税制とネオリベラル路線でにわか景気を演出した報いが、サブプライムローン破綻以降の世界大不況である。財政が健全で州兵が出払ってなければ、ハリケーン・カテリーナだってもっと上手く対処できたはずだ。ブローバックはアメリカ国民にも確実に返ってきている。

いま思い返しても(日本は失われた10年の最中だったが)、2001年のはじまりはもっと祝福をもって迎えられていた。環境と貧困、地域紛争の解決こそが地球の課題だったはずだ。どうしてこんな世界になってしまったのか。「新世紀への希望をいっきょに潰した大統領」として、彼の名は長く記憶され、呪われることだろう。