大衆民主主義考

大衆民主主義、あるいはマス・デモクラシー。政党政治など、現代の民主主義なるものは、ほとんどこれだといってよい。

しかしこのことばは、一種の煙幕であると思う。世論の支持とか得票率とか議席数とか、数の力のみが問題になっている時点で、すでに個々の「民」の意見が主であるとはいえないのではないか。

こうした政治により適切なよび名を与えるとすれば、

数主主義
衆主主義
マスクラシー

といったものではないだろうか。ジャン=ジャック・ルソーが「社会契約論」のなかで政党(あるいは徒党)をきびしく批判した意味を、あらためてよく考えるべきではないだろうか。