これってなあ

夏休みに、タイ北部の村の学校でボランティアをやる仕事仲間からメッセージが来た。

「生徒千人の大きな学校を訪ねるのに、新型インフルエンザのリスクはどうだろう?新聞によるとタイでの患者は増える一方みたいだけど」

これを読んで、じつはちょっとムッと(悪い癖だが)してしまった。以下その理由;

・まず、タイでの感染状況について自分でほとんど調べてない。バンコクポストとかネイションとか、タイの英字紙を読めばもっと詳しい情報が得られるはずだし、いやしくもタイでボランティアとかやるつもりならそのくらい自分で調べてよ、と言いたくなる。英字紙のタイトルとかタイの医療や公衆衛生の水準(高い)なんて、ガイドブックレベルの情報じゃないだろうか。

・生徒から自分が伝染される、という暗黙の前提(決めつけ?)。ドイツでもオランダでも感染者は出てるんだし。自分が伝染してしまう危険は考えてないのか。

で、新聞等で調べたら、タイでの感染者は今のところ全国で46人が確認されている。人口あたりでいうとオランダとどっこいだ。ただしエリアはバンコクパタヤ、および南部に限られている。

ということは、伝染される心配より、我々が空港かバンコクで感染して学校の生徒さんに伝染してしまう可能性こそ、いちばん心配すべきだということにならないか。たしかに、医療設備も完備しているとはいえず小学一年生からが集団生活している学校なのだから、いったん感染させてしまうと大変だしその罪は重い。これは重々注意しなければなるまい。

まあ新聞を読んで思わず焦ったのかもしれないし、私が深読みし過ぎなのかもしれないけど、こういう時にぽろっと「われわれ文明人と彼ら」という、帝国主義(E.W.サイードの言うような意味で)の残りかすみたいな無意識の眼差しを感じさせられてしまうのは残念だな。