日誌20100405:波乱の移動日、ムアンローン〜ルアンパバーン

0630起き、シャワー浴び腰痛体操、小出さんはすでに事務所。荷造りして0730ADARオフィスへ。メールチェックしアマゾンの(オランダに戻ってすぐ届くように)発注出す。

0800バスステーションへ、ところがナムター行きの車は満席。仕方がないのでムアンシン経由で行くことにし、0840発。ムアンシンまで25000K。

0920車がバイクに(幸い正面ではないが)衝突。土ぼこりの中を両方とも道路の真ん中を走り、気付いてとっさに避けようとしたときには遅すぎた、という状況のようだ。車の運転手氏が妙にアグレッシブでやや刹那的に行動する感じの人なので、彼の責任が大きいかも。バイクのライダーは19歳のアカ族の人、右踵から出血しているが、重傷ではない。バイクのライトやメーターが壊れ、車の右側のライトが破損(ということは逆走していた証拠だろう。ラオスは右側通行)。運転手氏がほぼ一方的にまくしたて、ときおりライダー氏が反論する感じで責任追及の議論が続く。1000すぎ、ようやく赤いサイレン付きバイク(写真)で警官が到着、現場検証。赤ペンキのスプレーで印を付ける。

1055出発、1200すぎムアンシン着。すぐに発車するナムター行きの車20000Kがあり、1230出発。途中で乗ってくる人もいて、総勢14人。韓国製のわりと新しいワゴンだが、やはり吐く人が現れる。この区間の道はよく、1407ナムターの旧バスステーション着。ソンテオ10000Kでキウターイ(南バスステーション、長距離はここから)へ。ちょうどよく1430発車のヴィエンチャン行きが出るところで、ルアンパバーンまで切符買う100000K(桁が多いが約8ユーロ/1000円)。VIP車でないせいか、旅客だけでなく貨物も運んでいる。床にはパイプラインのパッキンらしい鉄のかたまりが敷き詰められ(写真)、いちばん後の席はプラスチック椅子が満載で座れない。


ナムター〜ウドムサイ間は工事区間がやたら多く、資材が道路の半分をふさいで片側通行になっているところだらけで、ノロノロ運転になりがち。トラックのほとんどと現場監督(お茶のポットを持っているのですぐ分かる)は中国から来ている。人海戦術で、雨期の間に一気にやってしまおうということだろう。その見返りのように、あちこちで家を新築している。中国景気だろうか。1830やっとウドムサイ、しかしバスターミナルの中をゆっくり一回りしてすぐ出る。ウドムサイからの山の中は、暗くなってからも焼畑の炎をしばしば見る。以前乾期にこの地域を訪れた時と比べても、派手に焼いているような気がする。


ラオス政府は焼畑を禁止する方針で、許可する場合も3〜5年のサイクルで回す(通常、地力が回復するには20〜30年かかるので、これはほぼ禁止と同じこと)のが条件だ。おそらく、そのことがヤケクソな焼畑をかえって助長しているのではないか。どうせできなくなるのであれば、今のうちに大きめに焼いて作物を作れるだけ作っておこうとか、ゴムなどのプランテーションに転用される可能性が高いことを考えれば、焼いておけばなんらかの既得権を主張できるのでは、とか考える村びとがいても不思議ではない。その結果は「バスに乗り遅れるな!」で焼畑地のむちゃくちゃな拡大と、数年後には中国向け輸出作物のプランテーションに変身、といったことではないだろうか。ラオス政府も、そのへんは織り込み済みの焼畑禁止令かもしれない。ともあれ、土地や天然資源を片っ端から中国に売り飛ばして経済発展を図っている、といった色彩が濃厚だ。もともとラオスのなかでも北部は比較的貧しく、また少数民族の天地でもあり、ラオス政府も中国に開発を肩代わり(丸投げ?)させることに、さほど抵抗感はないのかもしれない。しかし長い目で見た場合、村の人びとにとってはどうだろう。

2140、パクモンの町で食事休憩。ここは昨年夏とほとんど変化なし。豆乳5000K、鶏肉入りフォー12000K、ほかにも食べるものはたくさんあるのに、ポテトチップスと中国製ワハハ印の蜂蜜入りミルクティー16000K。乗務員の皆さんはカオニャオとおかずを囲んで楽しげ。2200発車、ここからはずっと下りで飛ばし、2408ルアンパバーンの北バスターミナル(町の中心から5km)着。ちょうどムアンクア方面からのバスも着き他の旅行者(同じバスの3人+二日がかりでベトナムのサパからバスで来た強者2名)も誘って交渉し、20000K→15000K/人に値切ってジャンボ(大型のトゥクトゥク)で市内へ。いつものBoun Chaleurn Guest Houseの戸を叩くと、オーナー/マネージャーのソン氏が起きてくる。とりあえずシャワー、洗濯して寝るが、良く寝付けずメールチェックし、7日のバンコク行きのバンコク・エアウェイズのチケットをオンラインで購入。215$は高いが、ルアンパバーンに一日半いられることには替えがたい。