暴力装置考

いまだに続く言葉遊び。自衛隊が軍隊(ほとんどの国の軍隊は自衛が目的だ)でなければ、なんで中国近海でB52で先制攻撃態勢の米軍と、共同演習をするのかね。

また、マックス・ウェーバーが指摘する通り、暴力の独占が近代国家の本性なのだとすれば、そのための組織を暴力装置と呼ぶことにはなんの矛盾もない。むしろ、暴力を独占することによって平和を維持する責任を自覚して、職務に当たっていただいた方がいいのではないか。

しかし、「憲法の下で」という表現は、言葉遊びでは済まない問題を含んでいる。自衛隊が合憲かどうかに関しては、最高裁でも判断を避け続け現在に至っているからだ。下級裁判所レベルなら、自衛隊違憲判決だって何度も出ているではないか。

民主党政権になって、かえって自民党時代よりこのへんのタガがどんどん外れている印象だ。いずれテロ対策とか予防を理由に先制攻撃でも始めなければいいが。支持率が落ちたらやりかねないような人たちの内閣だけに心配だ。


仙谷氏の「暴力装置」発言は不適切…政府答弁書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101203-00000862-yom-pol

政府は3日の閣議で、仙谷官房長官自衛隊について「暴力装置」と発言し、その後撤回、謝罪した問題について、「憲法の下で認められた、自衛のための実力組織である自衛隊を表現する言葉としては不適切だ」とする答弁書を決定した。

仙谷長官の発言の影響については、「自衛隊員の士気低下が発生しているとは考えていない」と指摘した。

また、政治的発言をする部外者を自衛隊関連行事に来賓として呼ばないよう求めた防衛次官通達については、「一般国民の行為を規制しようとするものではなく、通達という性質上、一般国民の行為を規制する効力を有しないことは当然で、憲法で保障された表現の自由などとの関係で問題となるものではない」とした。

自民党木村太郎衆院議員の質問主意書に答えた。