新年日誌20110102:南京ぐるぐる篇

0830起き、シャワー浴び、着替えて今日も同じ部屋に泊まることに決め、ネットで予約しておく。フロントで宿泊を延長すると、昨日の分までネット価格の239元にまけてくれた。テレビの正月番組では、雲南少数民族が入れ替わり立ち替わり歌を披露している。

フロントでバスの路線を聞き1020ホテルを出、長江大橋を渡るべく右のバス停へ歩いて行くと、どん詰まりに中山埠頭が見えてくる。どうみても渡し船が出ているので、乗らない手はない。一人2元。6分ほどで渡りきったが、川を渡る風がすごく冷たい。反対側の浦口埠頭から通りに出ると、箱形の3輪タクシーが客引きしている。初めて見る形(写真)。すぐ前は南京北駅。市場の方へ歩いて行くと腹が減ってきたので通りすがりの食堂で昼食。羊肉のスープと炒飯13元。メニューをよく見ると犬肉のスープもある。惜しいことをした。

さらに歩くと南京市浦口区の中心に出る。市場を冷やかし、病院の方へ歩くと、公園で人びとが入れ替わり立ち替わり爆竹を鳴らし花火を上げている。アムステルダムの正月並み。爆竹の破片が足に当たるが、けっこう痛い。旧正月はもっと派手だろう。病院前からバスに乗り2元、南京大橋を渡って市内へ。なかなかのパノラマ。橋の上には観光らしき人びとも多い。

1230?終点の古平崗ターミナルで降りる。公交カード(プリペイドICカード。中国の大都市にはだいたいあり、パスポートを提示すれば外国人も買える)の窓口を発見。発行手数料30元+クレジット50元を購入。南京のカード(金陵通)は上海などよりさらに進んでいて、デビットカードとしても使える。

バスで再び鼓楼へ。南京の鼓楼は築山の上の古い建物。南京はあちこちにこうした建物があって和む(し、そういう美しい街をかつて日本人が破壊したことには心が痛む)。地下鉄の鼓楼駅に降り、一回乗り換えで雲錦路駅へ。地上に上がると、目の前には南京大虐殺記念館(正式名称は南京大屠殺遇難同胞記念館)のモニュメント。オシップ・ザッキン(ロッテルダム大空襲のモニュメントを作った人)のような彫刻も。入場無料で、けっこう並んでいる。

壁に大書された「犠牲者30万」については歴史家の議論があるにせよ、予想していたような「これでもかこれでもか」調の展示ではない。広島の原爆資料館とあまり差はない感じで、祈りのスペースも設けられている。ただ中国人や日本人の膨大な証言者に関する展示は一見の価値(義務?)あり。この辺が日本のメディアではフィルターにかけられ、あるいは「信憑性に欠ける」という理由で捨象され、国外、あるいは学界での南京大虐殺の「常識」が日本国内では見えにくくなる(なかった論などが根強く幅を利かせる)原因となっているようだ。展示によると泊まっている下関あたりは、南京攻略戦の折に長江を渡ろうと避難民が押し寄せ、大量の犠牲者を出したところらしい。黙祷。

売店でパンフレットなどを購入。値段の張る写真集などをしきりに売りつけられる。「こっちが官方資料だから」という勧め方は社会主義官僚主義?)的か。園内のなんとなくパクリっぽい平和の女神像より、その前で呑気に記念写真を撮る若い人たちに平和を感じる。

外に出ると1600、新しいデパートや建設中のアパートが立ち並ぶ新興(再開発?)エリア。バスに乗ってきょうの第3目的地、中華門へ。バス停から地下鉄の中華門駅、さらに中華門そのものへはかなり距離がある(中国的距離感?)。途中忘れてきたカメラのバッテリーを充電するためクリップ式の万能充電器20元を買い、大肉麺7元食べ、中華門に近づくと花火が上がる。南京は何度も首都になった町だけあって、立派な城門がいくつもある。バス4号線2元に乗り宿の近くまで行き、歩いて戻る1900。途中牛肉餃子5個で3元。ジューシーでうまい。

2030あんまり歩く気がしないのと朝食が良かったので、夕食も宿の食堂でとることにする。ピータン、川魚と高菜の煮物、ご飯、金陵ビール80元。ピータンは一皿が5個で、さすがに残す。部屋に戻り、テレビ鑑賞して寝る。