エントロピーと風評被害考
しかし、風評被害が怖いから、と情報を隠したりすると、それがいわば風評被害の風評被害を生む。
さらに、隠したりしていません、安心してください等々とテレビで言い訳すると、それがまた風評被害の風評被害の風評被害を生む。
その上、それが誤報だったりすると、ますます風評被害の風評被害の風評被害の風評被害を生む。
・・・と考えると、けっきょく風評被害なるものは労力を使うほど増えて行く、いわば熱力学におけるエントロピーのようなものではないだろうか。たしかに情報の無秩序の度合いにも比例するはずだから、情報エントロピーの概念にも当てはまりそうだ。
ではどうすればエントロピーを最小にできるのかといえば、最初から情報を裏表なく全面公開しておくことだろう。余分なエネルギーを使わないで済むようにすれば、無秩序な情報の化け物が膨れ上がることもないからだ。大局的にエントロピーを押さえるのが賢さ、目先にとらわれて増やしてしまうのが小賢しさ、と言えようか。