平和友好条約考

日本とアメリカの間には、友好が存在しない。

正確には、友好条約が存在しないらしいのだ。

日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)は「戦争状態はこれで終わりだよー」というお約束=講和条約であって、対等な友好関係をどう築くか、といった内容は、なんら含んでいない。

ましてや日米安保条約は、近頃は世界でも珍しくなった、純然たる2国間の軍事同盟のお約束だ。

「日米 友好 条約」でグーグると、ひとつあった。日米友好通商航海条約だ。しかしこれは輸出入とか製造元の表示とかに関する、ものすごく事務的な条約である。「日中平和友好条約」のようなものは、存在しない。現在のところ、日米和親条約が最初で最後なのではあるまいか。

だいたい現在、こういう条約を(あくまで)提案している人もいるくらいなのだ。

日本国とアメリカ合州国との間の平和友好条約(案)
http://www1.jca.apc.org/iken30/Treaty2/Treaty-J.html

ということは、外交において、アメリカにとって日本とは、日本にとってアメリカとは一体なんなのだろう。しょせん今の「日米同盟」なるものは、占領国−被占領国という支配関係の続き、ということではないのだろうか。日本政府や外務省があれほどアメリカに屈従するも、そう考えれば合点が行く(それが出世の早道だから、喜んでやっているのかもしれないが)。

アメリカの言いなりではなく自立を、という意見には賛成だ。しかし、だから核武装/軍備拡張を、とか血気にはやるのではなく、まずはその辺で言葉を尽くして仕切り直しを求めるべきなのだろう。もちろん、アジア諸国に対しても逆の意味でそうなのだが。